Japanese
English
症例報告
電子線照射が奏効したAIDS関連Kaposi肉腫—PCR法によるHHV−8の検出を含めて
AIDS-associated Kaposi's sarcoma successfully treated with electron-beam therapy:including detection of HHV-8 by PCR analysis
藤塚 章子
1
,
本多 章乃
1
,
原 弘之
1
,
落合 豊子
1
,
森嶋 隆文
1
,
佐多 徹太郎
2
Ayako FUJITSUKA
1
,
Ayano HONDA
1
,
Hiroyuki HARA
1
,
Toyoko OCHIAI
1
,
Takafumi MORISHIMA
1
,
Tetsutaro SATA
2
1日本大学医学部皮膚科学教室
2国立感染症研究所エイズ研究センター
1Department of Dermatology, Nihon University School of Medicine
2Laboratory of Pathology, AIDS Research Center, National Institute of Infectious Disease
キーワード:
AIDS
,
AIDS関連Kaposi肉腫
,
HHV−8
,
放射線療法
,
CD34
Keyword:
AIDS
,
AIDS関連Kaposi肉腫
,
HHV−8
,
放射線療法
,
CD34
pp.353-356
発行日 2001年4月1日
Published Date 2001/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903528
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35歳,男性.肺結核の診断で入院加療中にHIV抗体陽性を指摘され,両足の皮疹を主訴に当科を受診した.初診時,両1〜3趾を中心として,両足の外足縁にも一部及んで浸潤を触れる紫紅色斑を認め,これらは6か月前に出現した.病理組織学的には真皮内に管腔様構造と紡錘形細胞の増生を認め,これらの細胞は免疫組織化学的検討により第VIII因子関連抗原,UEA-Iレクチン,CD34抗原に陽性であり,Kaposi肉腫の所見に一致した.パラフィン包埋組織切片から抽出したDNAを用いたPCR法によりHHV−8DNA断片を検出した.以上よりAIDS関連Kaposi肉腫と診断した.腫瘍が両足のみに限局していたため局所療法の適応と考え,電子線照射を施行した.照射開始後皮疹は速やかに退縮傾向を示し,計40Gy照射後約2か月で皮疹は完全に消退した.患者のQOLの向上のためにも限局性の病変に対しては積極的な治療の必要性があり,放射線療法が有用であることを確認した.
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