Japanese
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特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1994
I 最近話題の疾患
黒色癬
Tinea nigra
楠原 正洋
1
,
熊野 修治
2
,
蜂須賀 裕志
1
Masahiro KUSUHARA
1
,
Shuji KUMANO
2
,
Hiroshi HACHISUKA
1
1久留米大学医学部皮膚科学教室
2くまの皮膚科
1Derpartment of Dermatology, Kurume University, School of Medicine
2Kumano Dermatological Clinic
キーワード:
tinea nigra
,
Phaeoannellomnyces werneckii
Keyword:
tinea nigra
,
Phaeoannellomnyces werneckii
pp.25-29
発行日 1994年4月15日
Published Date 1994/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901188
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黒色癬は手掌,足底に黒褐色の自覚症のない色素斑を生じる疾患で,黒色真菌による表在性真菌症である.熱帯・亜熱帯に多い疾患であるが,本邦においては1983年に名嘉真らが第1例目を報告し,以後九州,四国,本州から症例が追加されている.今回福岡県で第1例目となる18歳の左手掌に生じた黒色癬を報告し,自験例を含めた本邦18例の統計的観察を行った.18例中14例は九州地方に発症し,9例は沖縄県の報告例であった.男女比は4:5で,発症年齢では10歳以下の小児に多かった.発症部位は13例が手掌に,3例が足底に,手指,趾間が各々1例ずつであった.全例健常者で誘因となる基礎疾患は認めなかった.治療はイミダゾール系抗真菌剤によく反応し,およそ2〜4週間の外用で治癒していた.
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