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増刊号特集 最近のトピックス2023 Clinical Dermatology 2023
1.最近話題の皮膚疾患
母乳による新生児線状IgA水疱性皮膚症
Neonatal linear IgA bullous dermatosis mediated by maternal breast milk-borne IgA
江上 将平
1
Shohei EGAMI
1
1東京都済生会中央病院皮膚科
1Department of Dermatology, Tokyo Saiseikai Central Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
新生児
,
線状IgA水疱性皮膚症
,
母乳
,
J鎖
,
IgA
Keyword:
新生児
,
線状IgA水疱性皮膚症
,
母乳
,
J鎖
,
IgA
pp.11-15
発行日 2023年4月10日
Published Date 2023/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206949
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summary
線状IgA水疱性皮膚症(linear IgA bullous dermatosis:LABD)はごく稀に新生児発症の報告があるが,抗体産生能が未熟な新生児において自己抗体の由来は不明であった.われわれは生後4日目から発症した新生児LABDを経験した.皮膚だけでなく咽頭や喉頭粘膜まで病変が及び,気管挿管による呼吸管理が必要となった.挿管となったタイミングで母乳栄養が中止されたところ,その後の水疱新生が止まり皮疹は徐々に上皮化した.母体の血清では間接蛍光抗体法陰性であったが,母乳では患児血清と同様表皮基底膜部の真皮側に陽性になり,また患児病変皮膚に沈着していた自己抗体は抗J鎖染色が陽性の分泌型IgAであった.母乳内に含まれる分泌型IgAの自己抗体が授乳により患児に移行することで新生児LABDを発症したと考えた.
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