Japanese
English
症例報告
乳児筋線維腫症(単発型)の1例
A case of infantile myofibromatosis (solitary type)
山田 琢
1
,
長尾 洋
1
,
多田 譲治
2
,
妹尾 明美
2
,
荒川 謙三
2
Taku YAMADA
1
,
Yoh NAGAO
1
,
Joji TADA
2
,
Akemi SENOH
2
,
Kenzo ARAKAWA
2
1岡山赤十字病院皮膚科
2岡山大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatol-ogy, Okayama Red Cross Hospital
2Department of Dermatology, Okayama University Medical School
キーワード:
乳児筋線維腫症
,
単発型
,
生下時発症
,
線維性腫瘍
,
間葉系腫瘍
Keyword:
乳児筋線維腫症
,
単発型
,
生下時発症
,
線維性腫瘍
,
間葉系腫瘍
pp.451-455
発行日 1995年5月1日
Published Date 1995/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901554
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生後2日男児.生下時より左頬部に直径15mm,広基有茎性,表面光沢を有する腫瘤を認めた.組織学的に表皮直下から深部にかけて,好酸性で長紡錘形の平滑筋様細胞が束を形成して錯走しながら増殖していた.病巣の中心部と上方では,1層の内皮細胞様細胞に囲まれた血管が増生し,その周囲に卵円形ないし紡錘形の核と境界不明瞭な細胞質を持つ細胞の増殖が認められた.平滑筋様細胞はAzan-Mallory染色で胞体は軽度赤染,PTAH染色で淡青色に染色された.免疫組織化学染色では,抗actin抗体染色が陽性でS−100,neu—ron-specific enolase, Vimentin, lysozyme,第8因子,myosin, desminは陰性であった.電顕的には細胞質に非常に発達した粗面小胞体,多数のmitochondria,微細なfilament,隣接する細胞との境界にはdesmosome様構造を認め,myofibro—blastの像を示した.臨床および組織像より乳児筋線維腫症infantile myofibromatosisと診断した.新生児期および乳児期の線維性腫瘍について考察した.
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