Japanese
English
症例報告
橋本病を合併した慢性播種状円板状エリテマトーデスの1例
A case of wide spread discoid lupus erythematosus associated with autoimmune thyroiditis
高崎 修旨
1
,
岡本 壽男
1
,
山口 康平
2
Shuji TAKASAKI
1
,
Toshio OKAMOTO
1
,
Kohei YAMAGUCHI
2
1大分県立病院皮膚科
2大分県立病院第1内科部
1Division of Dermatology, Oita Prefectural Hospital
2Division of Internal Medicine, Oita Prefectural Hospital
キーワード:
橋本病
,
慢性播種状円板状エリテマトーデス
Keyword:
橋本病
,
慢性播種状円板状エリテマトーデス
pp.997-999
発行日 1994年10月1日
Published Date 1994/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901344
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
45歳,女性.頬部の難治性の糜爛を伴う紅斑と趾腹,足縁の角化を伴う紅斑を主訴として来院.頬部皮疹の生検において,表皮の菲薄化および基底細胞の液状変性と,真皮上層のメラノファージ,真皮上層血管周囲および付属器周囲のリンパ球浸潤が認められた.甲状腺腫が触知され,T3 71ng/dl,T4 2.9μg/dlと低値,TSHは127.3μU/mlと高値を示した.抗サイログロブリン抗体1600倍,抗マイクロゾーム抗体100倍と甲状腺自己抗体の存在が認められた.抗核抗体は640倍,一方,抗RNP抗体,抗Scl 70抗体,LE細胞いずれも陰性であった.以上の所見から,橋本病を合併した慢性円板状エリテマトーデスと診断した.安静と非ステロイド系消炎剤の外用およびヨード制限食のみで経過観察したところ,皮膚は著明に軽快し,T3,T4,TSHの値も正常化した.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.