Japanese
English
症例報告
多発性陰嚢嚢腫の2例
Two cases of multiple scrotal cysts
石川 学
1,2
,
玉森 嗣育
1
Manabu ISHIKAWA
1,2
,
Tsuguyasu TAMAMORI
1
1沼津市立病院皮膚科
2焼津市立病院皮膚科
1Division of Dermatology, Numazu City Hospital
キーワード:
多発性陰嚢嚢腫
,
特発性陰嚢石灰沈着症
Keyword:
多発性陰嚢嚢腫
,
特発性陰嚢石灰沈着症
pp.905-907
発行日 1994年9月1日
Published Date 1994/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901324
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多発性陰嚢嚢腫の2例を報告した.症例1は30歳,男の陰嚢に生じた自覚症状を伴わない多発性小結節で,組織学的には典型的な表皮嚢腫であったが,嚢腫壁の一部にKossa染色で陽性に染まる石灰沈着物を認めた.症例2は63歳,男で,症例1と同様に陰嚢に多発性小結節を認めた.組織像は表皮嚢腫および嚢腫壁が上皮性構造を示さず,異物型巨細胞を含む肉芽腫様構造からなる嚢腫であった.後者の内容物はヘマトキシリン好性の無構造物でKossa染色で陽性であつた.これら2例を抗ケラチン抗体にて染色したところ,表皮・毛嚢脂腺系および嚢腫内の角化物に陽性所見が得られたが,石灰沈着物は陰性であつた.多発性陰嚢嚢腫が特発性陰嚢石灰沈着症に移行しうる可能性が示唆された.
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