Japanese
English
症例報告
顔面の静脈血栓症にて発症した抗カルジオリピン症候群の1例
A case of anticardiolipin syndrome preceded by venous thrombosis of the face
薄場 秀
1,3
,
本多 章乃
1
,
戸村 好太郎
2
Shu USUBA
1,3
,
Ayano HONDA
1
,
Kotaro TOMURA
2
1東松山市立市民病院皮膚科
2東松山市立市民病院内科
3日本大学医学部皮膚科学教室
1Division of Dermatology, Higashimatsuyama, Municipal Hospital
2Division of Internal Medicine, Higashimatsuyama Municipal Hospital
キーワード:
抗カルジオリピン症候群
,
抗カルジオリピン抗体
,
静脈血栓症
,
原発性甲状腺機能低下症
Keyword:
抗カルジオリピン症候群
,
抗カルジオリピン抗体
,
静脈血栓症
,
原発性甲状腺機能低下症
pp.665-668
発行日 1994年7月1日
Published Date 1994/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901269
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65歳,男性の抗カルジオリピン症候群の1例を報告した.初診の約2年前より顔面の浮腫が出現し,生検にて静脈血栓症と診断した.抗カルジオリピンIgG抗体が陽性を示し,臨床症状と合わせて抗カルジオリピン症候群と診断した.その後両下肢にも浮腫が出現し,血管造影にて大腿静脈血栓症の合併と判明した.これらの症状は,プロスタグランディンE1製剤の投与にて改善した.本症の血栓症は下肢に発症することが多く,顔面に発症した例は調べ得た限りではみあたらず,本邦第1例であると思われた.本症の報告は内科領域では増加しているが,皮膚科領域ではまだあまりない.今後,顔面の難治性浮腫をみた場合,本症も考慮すべき一疾患であると考えられた.
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