Japanese
English
原著
身体各部位の正常角層層数—角層の層数は部位によって違うのか? 年齢によって違うのか?
Regional differences in number of cell layers in normal stratum corneum
甄 雅賢
1
,
工藤 和浩
1
,
末武 茂樹
1
,
田上 八朗
1
Ya-Xian ZHEN
1
,
Kazuhiro KUDOH
1
,
Takaki SUETAKE
1
,
Hachiro TAGAMI
1
1東北大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Tohoku University School of Medicine
キーワード:
正常角層層数
,
PCNA
,
サフラニン
Keyword:
正常角層層数
,
PCNA
,
サフラニン
pp.649-652
発行日 1994年7月1日
Published Date 1994/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901264
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正常角層は扁平な角層細胞が細胞間脂質を介してサンドイッチのように何層も積み重なってできた膜状物である.身体各部位における角層層数の違いを調べるために,皮膚疾患患者から得た正常部皮膚の凍結切片を用い1%サフラニン液で染色した後,2%KOH水溶液により角層を膨潤させ層数を数えた.角層が最も薄いのは男子の陰茎部で約6層,次いで眼瞼の約8層で,逆に最も厚いのは手掌と足蹠で40層以上であった.十分な標本数が得られた部位で年齢と角層層数の関係を検討したところ,頬部と眼瞼では年齢によって角層層数に違いはなかったが,下肢伸側では加齢に伴って角層層数の増加がみられた.腹部では逆に高年齢層のほうが角層層数が少なかった.また増殖細胞のマーカーであるPCNAに対するモノクローナル抗体を用いて表皮の増殖の程度を評価し,角層層数との関係を検討したが両者の問に相関は認められなかった.
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