Japanese
English
症例報告
皮膚筋炎にみられた難治性潰瘍—組織学的に膜嚢胞性病変を伴う脂肪織炎を認めた1例
A case of dermatomyositis with intractable skin ulcer showing panniculitis with membranocystic lesion
中山 文明
1,4
,
田川 一夫
1
,
寄藤 和彦
2
,
田辺 恵美子
3
Fumiaki NAKAYAMA
1,4
,
Kazuo TAGAWA
1
,
Kazuhiko YORIFUJI
2
,
Emiko TANABE
3
1旭中央病院皮膚科
2成田赤十字病院皮膚科
3東邦大学医学部附属佐倉病院皮膚科
4千葉大学医学部皮膚科学教室
1Division of Dermatology, Asahi General Hospital
2Division of Dermatology, Narita Red Cross Hospital
3Division of Dermatology, Sakura Hospital, School of Medicine, Toho University
キーワード:
膜嚢胞性病変
,
脂肪織炎
,
潰瘍
,
皮膚筋炎
Keyword:
膜嚢胞性病変
,
脂肪織炎
,
潰瘍
,
皮膚筋炎
pp.465-468
発行日 1994年5月1日
Published Date 1994/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901221
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27歳,女.皮膚筋炎の診断にてプレドニゾロン60mg/日より治療を開始して,筋症状,皮膚症状ともに軽快した.しかしながら,プレドニゾロン減量中に左上腕屈側,右下眼瞼,右大腿上部外側,左腰部に硬結を伴う有痛性紅斑がそれぞれ出現し,左上腕屈側の紅斑は虫食い状に潰瘍化した.当初,肉芽の新生が十分に認められなかったが,プレドニゾロンを若干増量したところ,潰瘍は上皮化した.組織学的に那須らが提唱した膜嚢胞性病変を認め,皮膚筋炎に伴った脂肪織炎より生じた潰瘍と考えた.自験例では間質性肺炎,悪性腫瘍は認められなかったが,文献的には予後不良例が多く,今後とも慎重に経過を見る必要のある症例と考えた.
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