Japanese
English
特集 外科手術と輸血—最近の動向
輸血後移植片対宿主病(輸血後GVHD)—予防,診断,治療
Transfusion-associated graft-versus-host disease:Prevention, diagnosis, and treatment
上平 憲
1
,
朝長 万左男
1
Shimeru KAMIHIRA
1
,
Masao TOMONAGA
1
1長崎大学医学部附属病院輸血部
キーワード:
GVHD
,
輸血
,
リンパ球
,
組織適合抗原
,
放射線照射
Keyword:
GVHD
,
輸血
,
リンパ球
,
組織適合抗原
,
放射線照射
pp.1559-1564
発行日 1994年12月20日
Published Date 1994/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901732
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
輸血後GVHDとは,輸血血液製剤に混入するT細胞が患者に生着し,宿主(host)の組織適合抗原を認識して,この抗原の分布する臓器を攻撃する免疫反応の結果生じる病態である.したがって,確定診断には患者体内におけるT細胞のキメラ状態とGVH反応の病理学的存在を皮膚・肝臓などで確認する.治療はステロイド剤,その他の免疫抑制剤や調整剤が試みられているが絶望的で,ほとんどの症例は1か月以内に死亡する.予防は,輸血の際の一般的な心構えを遵守のうえ,製剤中に混入するT細胞を1,500〜2,500cGyの放射線照射で失活させることが唯一最良の方法である.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.