Japanese
English
特集 最近のトピックス2009 Clinical Dermatology 2009
2. 皮膚疾患の病態
GVHDにおけるHHV-6の再活性化
GVHD and HHV-6 reactivation
浅田 秀夫
1
Hideo ASADA
1
1奈良県立医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Nara Medical University,Kashihara,Japan
キーワード:
ヒトヘルペスウイルス6
,
GVHD
,
潜伏感染
,
再活性化
,
IL-10
Keyword:
ヒトヘルペスウイルス6
,
GVHD
,
潜伏感染
,
再活性化
,
IL-10
pp.47-52
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102271
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 造血幹細胞移植後には移植片対宿主病(graft versus host disease:GVHD)がしばしばみられるが,一方でヒトヘルペスウイルスが再活性化しやすい状態になっていることも知られている.そこで,両者の関連性を調べる目的で,造血幹細胞移植後,経時的に末梢血中のヒトヘルペスウイルス(HHV-6,HHV-7,EBV,CMV)のDNAの検出・定量を行った.その結果,移植患者15例中,GVHDを発症した10例全例でHHV-6の再活性化を認め,そのうち8例では発疹の出現・消退と血中HHV-6 DNAレベルとの間に相関がみられた.一方,GVHDを発症しなかった患者でHHV-6が検出されたのは5例中1例のみであった.また,発疹の出現に一致して,血清中IL-10と可溶性IL-2受容体の上昇も認められた.以上のことから,造血幹細胞移植後の発疹症/GVHDの発症に,HHV-6の再活性化とIL-10産生T細胞の活性化が密接に関わっているものと考えられた.
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.