Japanese
English
原著
側頭動脈炎の1例報告と本邦における63例の統計的検討
A Case of Temporal Arteritis, and Statistical Analysis of 63 Cases of Temporal Arteritis in Japan
竹之下 秀雄
1
,
長谷川 隆哉
1
,
滝口 好彦
1
,
鈴木 正夫
1
,
金子 史男
1
,
我妻 亜喜雄
Hideo TAKENOSHITA
1
,
Takaya HASEGAWA
1
,
Yoshihiko TAKIGUCHI
1
,
Masao SUZUKI
1
,
Fumio KANEKO
1
,
Akio AZUMA
1福島県立医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Fukushima Medical College
キーワード:
側頭動脈炎
,
好酸球増多
,
統計
Keyword:
側頭動脈炎
,
好酸球増多
,
統計
pp.541-547
発行日 1993年6月1日
Published Date 1993/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900927
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症例は59歳,男.平成2年10月頃より頭重感が出現し,同時に左右後頭部の皮膚が瘙痒と圧痛を伴って肥厚し,しだいに右前頭部と右頬部にも同様の肥厚が生じた.初診時(平成3年2月23日)に好酸球増多(1464/mm3)がみられ,入院時(3月5)には38℃台の発熱と赤沈亢進(82mm/h)も出現した.右前頭部の生検では,血栓で内腔が閉塞され,内膜から中膜にかけて好酸球を混じた炎症性細胞浸潤を伴う動脈炎の像が得られたが,巨細胞はみられなかった.これらの臨床症状と組織像より側頭動脈炎と診断した.Prednisolone 30mg/日内服にて軽快した.本邦の63例について文献的に検討した.男女比は35:28.側頭動脈の索状肥厚は46例にみられ,そのうち両側例は34例,左側のみと右側のみがそれぞれ6例で,後頭動脈の索状肥厚は4例にのみ存在していた.組織学的に巨細胞が確認されたのは40例であった.治療はpred—nisolone 30〜60mg/日投与が最も多かった.
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