印象記
仙台色彩かに—第17回日本研究皮膚科学会印象記
古川 福実
1
1浜松医科大学皮膚科
pp.517-519
発行日 1993年5月1日
Published Date 1993/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900923
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第17回日本研究皮膚科学会(研皮)が東北大学教授田上会頭のもと平成4年10月16日と17日の両日開催された.台風22号が日本へ接近した時期と重なり,天候が心配されたが学会の両日とも秋晴れで,450名を越える研究者が参加した.学会場となった仙台国際センターは,和風の趣きをうまく取り入れた現代的コンベンションセンターで,周囲の環境とも極めて良く調和し,まさに古き杜の都のニューサイエンス基地という印象だった.
さて,今回の研皮において,田上会頭はいくつかの特色を演出された.その1つは,1993年の秋に京都で行われる三大陸合同研究皮膚科学会(Tri-Con)に向けての企画である.Tri-Conに向けて予行演習的雰囲気をもてるように欧米より2人の特別講演者と10人以上の教育講演者を招請された.特別講演者の一人は,田上会頭を初め多くの著名な日本の皮膚科の先生方が指導をあおいだAlbert M,Kligman先生である.Kligman先生は,初日(16日)のサテライトセミナーで“Photodamaged skinand its pharmacologic treat—ment”と題された講演をされ,翌日には“Hydration harms humanskin”と題された特別講演をされた.その2つの講演は,Kligman先生の長年の研究に裏打ちされた含蓄のある科学的な内容で,示唆に富むものであった.ウイットも交えながら聴衆に話し掛けられる姿は,とても80歳近い老人(失礼!)とは思えない若々しいもので,印象的であった.
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