動き
第1回日本家族研究・家族療法学会印象記
小倉 清
1
Kiyoshi Ogura
1
1関東中央病院精神神経科
1Department of Neuro-psychiatry, Kanto Chuo Hospital
pp.1228-1230
発行日 1984年11月15日
Published Date 1984/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203858
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この学会は昭和59年5月11日,順天堂大学で行われた。予想をうわまわる大勢の参加者で,会場は文字通り熱気につつまれた感じであった。家族への関心がこのようにたかまっているという,そのあらわれで,学会のお世話役をなされた方々にとっては,うれしい悲鳴というところであったろう。この学会が発足するに至るまでの経過については,その設立趣意書に詳しいが,この書はどなたの手によるものだろうか。長い文章ではないが,昭和25年頃から今日に至るまでのわが国の精神医学の全般的な動向についての様々の紆途曲折を,家族研究を中心にしてこんなにコンパクトに要領よくまとめられたのは,相当な臨床的な力をおもちの方に相違ない。それをここに転載したい気持にかられる。
それはそれとして,この学会はその流れとして,力動論的立場をさらに発展させた,いわゆるシステム論的立場に立つものである。その第1回の学会にアメリカからミニューチン博士をお招きして,学会に続いて2日間のワークショップを併せもったのは,理にかなったことであった。
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