特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1993
I 最近話題の疾患
Cutaneous leishmaniasis
元木 良和
1
,
金子 史男
1
,
片倉 賢
2
,
永倉 貢一
3
Yoshikazu MOTOKI
1
,
Fumio KANEKO
1
,
Ken KATAKURA
2
,
Kouichi NAGAKURA
3
1福島県立医科大学皮膚科学教室
2東京慈恵会医科大学寄生虫学教室
3東海大学医学部生体防御機構系感染症学
1Department of Dermatology, Fukushima Medical College
2Department of Parasitology, The Jikei University School of Medicine
3Department of Infectious Diseases, Division of Host Defense Mechanism, School of Medicine, Tokai University
キーワード:
cutaneous leishmaniasis
,
Leishmania原虫
Keyword:
cutaneous leishmaniasis
,
Leishmania原虫
pp.17-20
発行日 1993年4月15日
Published Date 1993/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900874
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Cutaneous leishmaniasisの1例を報告する.患者は27歳の日本人男性で,1988年北アフリカのモロッコに測量技師として派遣され,屋外作業に従事していた.1990年9月,右肘など3か所に浸潤性紅斑を生じた.1991年1月,本症としてアンチモン製剤による治療を受けたが治癒せず,同年7月帰国し,当科を受診した.組織は類上皮細胞性肉芽腫で,組織球にamastigote型原虫を認めた.生検組織の培養によりprornastigote型虫体の鞭毛運動を確認した.Amphotericin Bの点滴静注を行ったが副作用のため中止し,皮疹の切除植皮術を行った.1年余り経過した現在,再発なく健在である.モロッコなど,サハラ砂漠の北に位置する北アフリカ,中近東,インド,南米の諸国では本症の発生が見られるので,長期滞在者は感染に注意が必要である.
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