Japanese
English
症例報告
選択的IgM欠損症を伴った全身性エリテマトーデス
A Case of Systemic Lupus Erythematosus Associated with Selective IgM Deficiency
佐々木 哲雄
1
,
伝寶 憲一
1
,
高橋 一夫
1
,
中嶋 弘
1
,
亀田 洋
2
Tetsuo SASAKI
1
,
Kenichi DENPO
1
,
Kazuo TAKAHASHI
1
,
Hiroshi NAKAJIMA
1
1横浜市立大学医学部皮膚科学教室
2亀田病院皮膚科
1Department of Dermatology, Yokohama City University School of Medicine
2Division of Dermatology, Kameda Hospital
キーワード:
全身性エリテマトーデス
,
選択的IgM欠損症
,
リウマトイド疹
,
掌蹠膿疱症
Keyword:
全身性エリテマトーデス
,
選択的IgM欠損症
,
リウマトイド疹
,
掌蹠膿疱症
pp.249-252
発行日 1993年3月1日
Published Date 1993/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900834
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27歳,女性の全身性エリテマトーデス(SLE)患者で,選択的IgM欠損症,リウマトイド疹,掌蹠膿疱症(PPP)を伴った1例を報告した.SLEは初診の半年前Raynaud現象と手指の凍瘡様皮疹で発症し,頬部の紅斑,関節炎,白血球およびリンパ球減少,抗核抗体高値,抗DNA抗体,抗Sm抗体陽性,血清補体低値,免疫複合体高値などから診断した.血清IgM低値(25〜50 mg/dl),IgG, IgA, IgE高値が持続したが,血小板減少はなく,選択的IgM欠損症と思われ,扁桃炎,リンパ節腫大,アレルギー性鼻炎もそれに伴う症状である可能性が考えられた.また,発熱とともに各所に淡い紅斑が出現し,Still病の際にみられるリウマトイド疹に最も近い皮疹であった.さらに,初診の2.5年前からPPPと思われる皮疹もみられている.金属パッチテスト陰性,ASO正常で,PPPを広義のリウマチ性疾患として扱う考えを支持する症例とも考えられる.
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