Japanese
English
症例報告
口腔内に生じたVerrucous Carcinomaの3例
Three Cases of Verrucous Carcinoma of the Oral Cavity
久保 仁美
1
,
松本 和彦
1
,
羽生田 久美子
1
,
池川 修一
1
,
斎田 俊明
1
,
伊藤 隆
Hitomi KUBO
1
,
Kazuhiko MATSUMOTO
1
,
Kumiko HANIUDA
1
,
Shuichi IKEGAWA
1
,
Toshiaki SAIDA
1
,
Takashi ITO
1信州大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Shinshu University School of Medicine
キーワード:
verrucous carcinoma
,
oral florid papillomatosis
,
高分化型有棘細胞癌
,
生物学的悪性度
Keyword:
verrucous carcinoma
,
oral florid papillomatosis
,
高分化型有棘細胞癌
,
生物学的悪性度
pp.197-201
発行日 1993年2月1日
Published Date 1993/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900826
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高齢男性の口腔内から口角部に発症したverrucous carcinoma(VC)の3例を報告した.いずれも,表面が浸軟した乳頭腫状ないし疣贅様の角化性結節としてみられ,組織学的には,上皮の棍棒状の肥大,延長からなる病変であり,その構成細胞の主体は異型性に乏しい有棘細胞様細胞であるが,辺縁部には多少の核異型を示す基底細胞様細胞が認められた.胞巣の境界は明瞭で,基底層はよく保たれていた.口腔内のVCの発症誘因として,喫煙や義歯による機械的刺激の関与が従来より注目されているが,自験3例でもこれらの因子の関与が推測された.VCの発生病因論や生物学的悪性度および通常の有棘細胞癌との異同などについて考察するとともに,本症の治療法の選択に関しても検討を加えた.
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