Japanese
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症例報告
エノキサシンによる薬疹の2例—ピリドンカルボン酸系抗菌剤間の交叉反応性の検討
Tow Cases of Drug Eruption Induced by Enoxacin: A Study of Cross-Reactivity between Pyridonecarboxylic acids
黒沢 伝枝
1
,
池澤 善郎
2
Tsutae KUROSAWA
1
,
Zenro IKEZAWA
2
1横浜市立港湾病院皮膚科
2横浜市立大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Yokohama City Kowan Hospital
2Department of Dermatology, Yokohama City University School of Medicine
キーワード:
エノキサシン
,
ピリドンカルボン酸系抗菌剤
,
薬疹
,
紅斑型薬疹
,
交叉反応
Keyword:
エノキサシン
,
ピリドンカルボン酸系抗菌剤
,
薬疹
,
紅斑型薬疹
,
交叉反応
pp.929-933
発行日 1992年10月1日
Published Date 1992/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900742
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エノキサシン(フルマーク®)による紅斑型薬疹の2例を報告した.症例1ではエノキサシン内服2週間目から,瘙痒を伴う紅色皮疹が全身に出現した.他のピリドンカルボン酸系抗菌剤による貼布試験,内服試験で7剤中4剤に交叉反応を認めた.症例2ではエノキサシン内服の3日目から,39℃台の発熱と全身の瘙痒性皮疹が出現した.内服試験ではオフロキサシン(タリビット®),ノルフロキサシン(バクシダール®)で誘発疹が出現した.今回我々が経験したエノキサシンによる紅斑型薬疹では,光線過敏症の場合と同様に,ピリドンカルボン酸基が発症の一端を担っているものと推察された.しかしナフチリジン系のエノキサシンとは異なるキノロン系のオフロキサシン,ノルフロキサシンと強い交叉反応性を示したことから,ナフチリジン環のフッ素によるハロゲン化も交叉反応に重要な役割を果たしているものと推察された.
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