Japanese
English
症例報告
特異な臨床経過を示したAcrodermatitis Continua of Hallopeau
An Unusual Case of Acrodermatitis Continua of Hallopeau
林 伸和
1
,
江藤 隆史
1
,
古江 増隆
1
,
中川 秀己
1
,
石橋 康正
1
Nobukazu HAYASHI
1
,
Takafumi ETOH
1
,
Masutaka FURUE
1
,
Hidemi NAKAGAWA
1
,
Yasumasa ISHIBASHI
1
1東京大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, University of Tokyo
キーワード:
acrodermatitis continua of Hallopeau
,
汎発化
,
膿疱性乾癬
Keyword:
acrodermatitis continua of Hallopeau
,
汎発化
,
膿疱性乾癬
pp.827-830
発行日 1992年9月1日
Published Date 1992/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900719
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64歳,女性.初診2年前より左第1趾爪甲が黄白色調となり,爪囲に発赤,腫脹出現.近医にて瘭疽の診断のもと抜爪.以後,爪は生えてくるが,しばらくすると排膿,爪が剥がれる状態を繰り返していた.細菌,真菌培養を繰り返すも陰性で,病状は不変.その後,四肢躯幹に膿疱と鱗屑を伴う紅斑が汎発,ステロイド外用にて再び左第1趾のみに限局した.汎発疹の生検像で,Kogojの海綿状膿疱を認めた.以上より,本症例をacrodermatitis continua of Hallopeauと診断.ステロイド外用剤にて全身の皮疹は略治したが,現在に至るまで左第1趾爪甲は生えてこない.Acrodermatitis continua of Hallopeauの汎発化したものの多くは1指趾より多指趾に移行後,汎発化しており,汎発時には熱発を伴うことが多い.また汎発例は女性では若年発症に多く,これらの点で自験例は稀な症例と考えた.
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