Japanese
English
原著
ニンギョウヒドラ刺症—いわゆるエラコ皮膚炎の2例
Two Cases of Stings by a Hydozoan, Proboscidactyla flavicirrata So-Called Pseudopotamilla occelata (erako) Dermatitis
加藤 直子
1
Naoko KATO
1
1市立小樽病院皮膚科
1Department of Dermatology, Otaru City General Hospital
キーワード:
ニンギョウヒドラ刺症
,
エダクダクラゲ
,
腔腸動物
,
刺胞
,
エラコ皮膚炎
Keyword:
ニンギョウヒドラ刺症
,
エダクダクラゲ
,
腔腸動物
,
刺胞
,
エラコ皮膚炎
pp.409-413
発行日 1992年5月1日
Published Date 1992/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900628
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環形動物門多毛綱ケヤリ科のエラコPseudopotamilla occelata MOOREの棲管上に共生付着することが知られている腔腸動物門ヒドロ虫綱のニンギョウヒドラProboscidactyla flavicirrata BRANDTによる刺症の2例を報告した.本症例は,これまで「エラコ皮膚炎」と呼称されていたものである.症例1は23歳の男性,症例2は18歳の男性で,ともに北海道日本海沿岸の積丹方面で,ウニの捕獲の目的で海中に潜り,エラコの棲管に接触することにより刺症を生じた.害毒性ヒドロ虫綱の中でニンギョウヒドラの刺胞毒性は一般に弱いとされていたが,自験1例目は強度の浮腫,2例目は多数の大型の水疱を生じ局所的に比較的重症であったため,症例によっては重症毒物皮膚炎としての注意深い治療が必要である.ニンギョウヒドラの毒性について,医生物学的考察を行った.
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