Japanese
English
特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1992
I 最近話題の疾患
ピアス型イヤリングによる金皮膚炎
Gold dermatitis due to ear piercing
中田 土起丈
1
,
飯島 正文
1
,
藤澤 龍一
1
Tokio NAKADA
1
,
Masafumi IIJIMA
1
,
Ryuichi FUJISAWA
1
1昭和大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Showa University School of Medicine
キーワード:
ピアス型イヤリング
,
金
,
接触皮膚炎
,
水銀
Keyword:
ピアス型イヤリング
,
金
,
接触皮膚炎
,
水銀
pp.16-21
発行日 1992年4月15日
Published Date 1992/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900599
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金製ピアス型イヤリングの普及によって耳朶の金皮膚炎が増加している.本症は臨床的に耳朶の急性皮膚炎症状に加えて,穿孔部付近に結節性変化を伴う点が特徴的である.診断にはパッチテストでの金試薬に対する陽性反応が不可欠である.パッチテストでは塩化第二水銀に対しても同時に陽性を呈するものが高率に認められた.病理組織学的に結節は単なる外傷性表皮嚢腫ではなく,真皮全層にわたる多数〜少数の好酸球を混じるリンパ球主体の細胞浸潤であった.免疫組織学的に浸潤細胞はTリンパ球で,構成は通常の接触アレルギーと同様,helper/inducer T cellの関与が示唆された.発症予防法としては小孔作成後再上皮化までの期間,ステンレス等の代用ピアスを使用することで金と真皮の接触を避けることが有用と考えられた.
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