Japanese
English
症例報告
黄疸患者の足に生じたオレンジ色の小水疱,緑褐色皮疹
Orange Colored Vesicles and Green Exanthemas on a Icteric Patient
羽尾 貴子
1
,
西山 千秋
1
,
森嶋 隆文
1
,
中島 熙
2
Takako HAO
1
,
Chiaki NISHIYAMA
1
,
Takafumi MORISHIMA
1
,
Hiroshi NAKAJIMA
2
1日本大学医学部皮膚科学教室
2東京医科歯科大学難治疾患研究所遺伝生化学部門
1Department of Dermatology, Nihon University School of Medicine
2Department of Biochemical Genetics, Medical Research Institute, Tokyo Medical and Dental University
キーワード:
黄疸
,
ビリルビン
,
ビリベルジン
,
オレンジ色水疱
,
緑褐色皮疹
Keyword:
黄疸
,
ビリルビン
,
ビリベルジン
,
オレンジ色水疱
,
緑褐色皮疹
pp.375-378
発行日 1992年4月1日
Published Date 1992/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900592
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40歳,男性.急性B型肝炎で入院中,両足縁から足底にかけて紅色小丘疹が出現した.皮疹は次第にオレンジ色の小水疱に変化し,さらに青カビのような緑褐色となって,出現後約3週間で鱗屑,痂皮となって剥離した.皮疹出現時の臨床検査所見は,GOT:137mIU/ml GPT:569mIU/ml, T.Bil:15.5mg/dl, D.Bil:12.95mg/dlであった.オレンジ色の水疱内容と緑褐色皮疹の組織片をHPLCを用いて分析した結果,オレンジ色の水疱内容はビリルビン,緑褐色の変化は,ビリルビンが酸化したビリベルジンの類縁物質によるものと判明した.正常人の血清中には存在することのないビリベルジンが,黄疸患者に生じた青カビ様皮疹から検出された貴重な症例を経験したので,若干の考察を加えて報告した.
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