目でみる耳鼻咽喉科
Tangier病—オレンジ色の扁桃
田中 久夫
1
,
中野 雄一
1
,
山崎 久生
2
,
斉藤 清子
3
1新潟大学医学部耳鼻咽喉科
2鶴岡市立荘内病院耳鼻咽喉科
3鶴岡市立荘内病院病理科
pp.158-159
発行日 1982年3月20日
Published Date 1982/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209404
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Tangier病は,familiar high density lipoprotein deficicllcy,hypo-α-ipoproteinnemiaなどのsynonymがある脂質代謝異常性疾患である。そのほとんどが扁桃摘出を受け,その特徴的病理像により発見されるものである。臨床症状は,コレステロールエステルの生体内,ことに網内系内の蓄積によるもので,とりわけ扁桃の著しい腫大と特徴的な黄白色ないしオレンジ色のびまん性あるいは斑点状の色調は,本症を診断する上に重要な所見てもる。
本症は,われわれの渉猟した範囲で本邦にはいまだ見出されておらず、世界的にも8家系13例の報告をみるにすぎない。
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