Japanese
English
症例報告
未定型群(Ⅰ群)らいの1例—早期診断の重要性
A Case of Indeterminate Leprosy
宇谷 厚志
1
,
新屋 明美
1
,
大野 佐代子
1
,
段野 貴一郎
1
,
宮地 良樹
1
,
市島 国雄
2
,
原田 禹雄
3
,
尾崎 元昭
4
Atsushi UTANI
1
,
Akemi SHINYA
1
,
Sayoko OHNO
1
,
Kiichiro DANNO
1
,
Yoshiki MIYACHI
1
,
Kunio ICHIJIMA
2
,
Nobuo HARADA
3
,
Motoaki OZAKI
4
1天理よろづ相談所病院皮膚科
2天理よろづ相談所病院病理
3国立療養所邑久光明園
4県立尼崎病院皮膚科
1Department of Dermatology, Tenri Hospital
2Department of Pathology, Tenri Hospital
3National Sanatorium Oku-Komyouen
4Department of Dermatology, Amagasaki Prefectural Hospital
キーワード:
未定型群らい
,
S−100蛋白染色
Keyword:
未定型群らい
,
S−100蛋白染色
pp.769-772
発行日 1991年9月1日
Published Date 1991/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900441
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東南アジア出身の母親を持つ13歳,男性にみられた未定型群らいの1例を報告した.約2年前より左手背,左下肢に浸潤を伴わない境界やや不明瞭な,周辺に軽い発赤を伴う低色素斑が生じ,知覚低下を伴っていた.組織像は真皮血管および付属器周囲性の軽度のリンパ球浸潤が認められたのみであった.Ziehl-Neelsen染色でらい菌は見いだせなかったが,S−100蛋白染色にて真皮神経周囲のリンパ球浸潤が明らかとなったこと,母親にらい腫型らいの認められたことなどより未定型群らいと診断した.未定型群らいは他のタイプのらいの早期病変と考えられ,早期診断,治療が肝要なことから,知覚低下を伴つ低色素斑をみた場合には,本症を念頭におくことが必要と思われる.
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