Japanese
English
症例報告
シェーグレン症候群の環状紅斑を疑わせたスウィート症候群の1例
A Case of Sweet's Syndrome Mimicking Annular Erythema of Sjögren's Syndrome
松本 義也
1
,
川部 美智子
1
,
宮川 晴子
1
,
安江 隆
2
Yoshinari MATSUMOTO
1
,
Michiko KAWABE
1
,
Haruko MIYAGAWA
1
,
Takashi YASUE
2
1中部労災病院皮膚科
2名古屋大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Chubu Rosai Hospital
2Department of Dermatology, Nagoya University School of Medicine
キーワード:
スウィート症候群
,
環状紅斑
,
シェーグレン症候群
Keyword:
スウィート症候群
,
環状紅斑
,
シェーグレン症候群
pp.685-688
発行日 1991年8月1日
Published Date 1991/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900426
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18歳,女性.シェーグレン症候群(以下,SjSと略す)の環状紅斑に酷似した環状浸潤性紅斑が顔面,上肢に生じた.特に全身症状はなかったが眼の乾燥感を訴え,皮膚生検にて真皮の血管と汗腺周囲にリンパ球様細胞浸潤が認められ,SjSを疑い諸検査を行ったがSjSの所見は認められなかった.初診より4年後,上気道炎症状と高熱を伴って,顔面,上肢と前胸部に圧痛ある環状浸潤性紅斑が再び生じた.白血球増多,血沈値高度亢進,CRP強陽性で,皮疹発生より1週後の皮膚生検では真皮全層に斑状に多核白血球を主とした著明な細胞浸潤が認められた.諸症状がABPCとDDSに不応で,ベタメタゾン1日4mgの併用が著効し,本症例の環状紅斑はスウィート症候群によるものと考えられた.自験例のように,スウィート症候群では,組織像もSjSと矛盾しないことがあり,その診断には長期間の経過観察と,皮疹発生よりの時間を考慮した複数回の生検が必要のことがあると考えられた.
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