Japanese
English
今月の症例
増殖性筋炎の1例
A Case of Proliferative Myositis
柴垣 直孝
1
,
大竹 直人
1
,
窪田 泰夫
1
,
宇野 明彦
1
,
高山 修身
1
,
島田 眞路
1
,
玉置 邦彦
1
Naotaka SHIBAGAKI
1
,
Naoto OHTAKE
1
,
Yashuo KUBOTA
1
,
Akihiko UNO
1
,
Osami TAKAYAMA
1
,
Shinji SHIMADA
1
,
Kunihiko TAMAKI
1
1山梨医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Yamanashi Medical College
キーワード:
増殖性筋炎
,
pseudosarcomatous proliferative lesion of soft tissue
Keyword:
増殖性筋炎
,
pseudosarcomatous proliferative lesion of soft tissue
pp.655-659
発行日 1991年8月1日
Published Date 1991/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900420
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58歳男性.初診4日前より左耳介後部に自覚症状のない皮下硬結が出現し急速に増大し硬度を増した.初診時,左耳介後部に約6×5cm,境界不明瞭,石様硬,可動性のない皮下硬結を触知した.血液一般検査にて軽度の炎症所見を示し,頸部CTにて左胸鎖乳突筋の腫大を認めた.組織学的には皮下組織から筋膜,筋内膜に膠原線維の増生とムチン沈着ならびに異型性を伴う線維芽細胞様細胞と神経節細胞様細胞の増殖を認めたが,筋線維には異常を認めなかった.以上より増殖性筋炎と診断し経過観察したところ,硬結は約3週間で自然消腿傾向を示した.増殖性筋炎は結節性筋膜炎,増殖性筋膜炎と同一のスペクトラム上に存在する良性反応性疾患であるが,比軽的まれな疾患であり,組織学的に悪性像を思わす所見もみられるため診断には十分な注意が必要であり,若干の考察を加えて報告した.
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