Japanese
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特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1991
II 皮膚疾患の病態
炎症性皮膚疾患と好酸球
The role of eosinophils in inflammatory skin diseases
津田 眞五
1
,
宮里 稔
1
Shingo TSUDA
1
,
Minoru MIYASATO
1
1久留米大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kurume University School of Medicine
キーワード:
好酸球
,
水疱性類天疱瘡
,
アトピー性皮膚炎
,
pro-inflammatory cell
Keyword:
好酸球
,
水疱性類天疱瘡
,
アトピー性皮膚炎
,
pro-inflammatory cell
pp.62-68
発行日 1991年4月15日
Published Date 1991/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900338
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好酸球増多を示す炎症性皮膚疾患を,好酸球のpro-inflammatomy cellとしての機能を中心に述べた.寄生虫症では,好酸球は標的(虫体,虫卵)の排除にeffector cellとして機能する.水疱性類天疱瘡においても,好酸球は自己の体組織(基底細胞)を異物と認識し,これを排除するeffector cellとして機能し水疱を形成すると考えられる.一方アトピー性皮膚炎では,末梢血中に活性型好酸球が認められるが,末梢血や皮膚組織中において排除すべき特定の標的は明確ではない.したがって気管支喘息における気道過敏性の亢進に関与するように、好酸球は既存の炎症をさらに増強するaccessory cellとして機能していると考えられる.今後このような観点から好酸球増多を伴う多くの炎症性皮膚疾患を分類し検討することは,病態の解明に重要と思われる.
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