Japanese
English
原著
リベド血管炎の皮膚微小循環動態
Cutaneous microcirculation evaluated in patients with livedo vasculitis
山本 忠正
1
,
滝脇 弘嗣
1
,
坂尾 佳久
1
,
神野 義行
1
,
荒瀬 誠治
1
Tadamasa YAMAMOTO
1
,
Hirotsugu TAKIWAKI
1
,
Yoshihisa SAKAO
1
,
Yoshiyuki KANNO
1
,
Seiji ARASE
1
1徳島大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, The University of Tokushima School of Medicine
キーワード:
リベド血管炎
,
微小循環
,
経皮炭酸ガス分圧
,
レーザードップラー血流
Keyword:
リベド血管炎
,
微小循環
,
経皮炭酸ガス分圧
,
レーザードップラー血流
pp.689-693
発行日 1998年8月1日
Published Date 1998/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902621
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下肢に不規則な網状皮斑を呈し,夏期に小潰瘍を生ずるリベド血管炎の3女性例の病変部微小循環を非侵襲的に評価したので報告する.網状皮斑上で計測した37℃経皮炭酸ガス分圧は正常被験者に比べ全例で上昇,レーザー血流は低下しており,この傾向は下肢を下垂すると顕著となった.一方,網状皮斑部に近接した正常皮膚色部位での計測値は正常被験者の値とほとんど差はなかった.したがって本症では網状皮斑部に一致して毛細管血流量の低下があり,下肢下垂で増幅されてガス交換不全を生じ,局所的なチアノーゼをきたしていると考えられた.以上から本症の潰瘍がなぜ拡大しにくく,臥床安静だけで治癒しやすいのかを説明できる.潰瘍を生じた場合,臥床安静は優先して行われるべきであろう.
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