検査法の基礎
経皮的血液ガス分圧の測定原理と検査法
石山 陽事
1
1虎の門病院生理学科
pp.861-867
発行日 1994年10月1日
Published Date 1994/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902135
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はじめに
動脈血中の酸素分圧(PaO2)や炭酸ガス分圧(PaCO2)の測定は従来直接動脈血の採血による観血的方法が用いられてきた.しかしこの採血による方法を呼吸管理および手術中の連続的モニタとして活用する場合には採血回数にもおのずと限度がある.また採血行為そのものも危険を伴い容易ではない.さらに未熟児や新生児の呼吸管理の目的で行う血液ガス分析検査ではその侵襲は大きい.しかし1972年西独Marburg大学のAlbert HuchとRenate Huch夫妻によって開発された新生児の血中酸素分圧を無侵襲でしかも連続測定が可能な皮膚電極が発表され,また一方でスイスのRoche研究所のEberhardによって同じころ,しかも同じ原理に基づいた血液ガス分析用電極が発表されるや急速にその臨床応用が試みられた.
現在,本装置は経皮的血液ガス分圧連続測定装置として採血せずに動脈血の酸素分圧や炭酸ガス分圧の連続モニタとしてICU(特にNICU)や手術室,あるいは回復室などの患者の呼吸管理用機器として普及している.特に未熟児や新生児の呼吸管理には本装置の役割は大きい1).
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