Japanese
English
症例報告
Neurotic Excoriationの1例
A Case of Neurotic Excoriation
竹之下 秀雄
1
,
春山 秀城
2
Hideo TAKENOSHITA
1
,
Hideki HARUYAMA
2
1福島県立医科大学皮膚科学講座
2太田綜合病院皮膚科
1Department of Dermatology, Fukushima Medical College
2Division of Dermatology, Ohta General Hospital
キーワード:
自傷性皮膚障害
,
神経症性擦傷(neurotic excoriation)
Keyword:
自傷性皮膚障害
,
神経症性擦傷(neurotic excoriation)
pp.259-263
発行日 1991年3月1日
Published Date 1991/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900309
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13歳,女.初診6カ月前より両側殿部および下肢に難治性痒疹様皮疹が存在.これらの皮疹は,①約6カ月間の伝染性膿痂疹としての治療に反応しなかったこと,②瘙痒感が全くなかったこと,③両側殿部と下肢に限局し,分布に一定の傾向が見られなかったこと,④新旧のものが見られたこと,⑤母子家庭であること,⑥掻破行為を認めたこと,これらのことにより,neurotic excoriationと診断,病因について説明したところ,納得が得られたので,補助的に精神神経用剤の内服と抗生物質加ステロイド軟膏中心の外用にて加療した.初診から6週目より新たな皮疹が見られなくなったため,12週目に内服薬,20週目には外用薬を中止したが,その後再発がなく,順調に経過している.また矢田部—ギルフォードテスト,親子関係テストを施行したところ,母親,患児双方に多少の精神的問題を見いだしたので,若干の考察を記述するとともに自傷性皮膚障害の分類についても整理を試みた.
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