Japanese
English
薬剤
全身性進行性強皮症へのサーモグラフィによる治療効果判定の試み—Lipo PGE1使用例
A Thermographic Evaluation of Lipo PGE1 Therapy in a Patient with Progressive Systemic Sclerosis
熊切 正信
1
,
田中 日出男
1
,
栗栖 幸恵
1
,
大河原 章
1
Masanobu KUMAKIRI
1
,
Hideo TANAKA
1
,
Sachie KURISU
1
,
Akira OHKAWARA
1
1北海道大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Hokkaido University School of Medicine
キーワード:
全身性進行性強皮症
,
Lipo PGE1
,
サーモグラフィ
,
冷水負荷試験
,
レイノー現象
Keyword:
全身性進行性強皮症
,
Lipo PGE1
,
サーモグラフィ
,
冷水負荷試験
,
レイノー現象
pp.745-749
発行日 1990年6月1日
Published Date 1990/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900141
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全身性進行性強皮症にプロスタグランジン製剤が有効であるという報告があるため,50歳,女性の患者に約2カ月間,Lipo PGE1を用い治療した(31回静注,合計155μg).全身性進行性強皮症への治療効果の判定の試みとしてサーモグラフィを用いた.結果は右手背で,平均皮膚表面温度が治療直後で1.8度上昇し,治療終了11日後でも0.6度の上昇を維持していた.より客観的な末梢循環障害の検査法である冷水負荷試験成績でも治療前の46.1%から86.8%への回復率の上昇があり,Lipo PGE1の有効性を確認した.サーモグラフィは自覚症状の改善,潰瘍の改善,レイノー現象の改善などの他覚所見に比べ数量的表現が可能であり,より客観的評価方法として応用できることが示唆された.
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