Japanese
English
原著
長崎市に多発したドクガEuproctis subflava Bremerの幼虫による皮膚炎
The Outbreak of Dermatitis due to Larva of Euproctis subtlava Bremer
久保 容二郎
1
,
野中 薫雄
2
,
吉田 彦太郎
2
Yorjiro KUBO
1
,
Shigeo NONAKA
2
,
Hikotaro YOSHIDA
2
1久保皮膚科医院
2長崎大学医学部皮膚科学教室
1Kubo Dermatology Clinic
2Departmerit of Dermatology, Nagasaki University School of Medicine
キーワード:
皮膚炎
,
ドクガ
,
Euproctis subflava
Keyword:
皮膚炎
,
ドクガ
,
Euproctis subflava
pp.189-196
発行日 1990年3月1日
Published Date 1990/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900038
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昭和62年に経験したドクガ科Euproctis属の昆虫による皮膚炎すなわち毒蛾皮膚炎153例中73例はドクガの幼虫が原因であった.そのうち,4月から7月にみられた68例は分散して活動する成熟幼虫による例であり,8月から11月に受診した5例は越冬前の群居性が強い若齢幼虫による症例であった.長崎市とその近郊でドクガの成熟幼虫による皮膚炎が多発した原因として,暖冬などの気候的因子の影響で越冬を好条件の下に経過したので春から夏にかけてドクガの幼虫が大発生したこと,山林部開発による宅地の造成で幼虫と人の住む場所が近接したので両者が接触する機会が多くなったこと,および,幼虫の食草となる柿,桜,梅などが市街地の保育所,幼稚園,公園,民家の庭など広範囲に存在していたことなどが考えられた.
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