Japanese
English
原著
疥癬結節について—発生に関する検討
A Conception of Development of Scabious Nodules
久保 容二郎
1
,
山下 和徳
2
,
鳥山 史
3
,
野中 薫雄
4
Yorjiro KUBO
1
,
Kazunori YAMASHITA
2
,
Fumi TORIYAMA
3
,
Shigeo NONAKA
4
1久保皮膚科医院
2佐世保総合病院皮膚科
3健康保険諫早病院皮膚科
4長崎大学医学部皮膚科学教室
1Kubo Dermatology Clinic
2Division of Dermatology, Sasebo General Hospital
3Division of Dermatology, Isahaya Insurance General Hospital
4Department of Dermatology, Nagasaki University School of Medicine
pp.1129-1133
発行日 1988年12月1日
Published Date 1988/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204010
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疥癬結節の特異的な3例について病理組織学的または直接鏡検による検討を試みた.その結果,2症例では不全角化を伴う部の角層内に嚢状間隙が存在し,その底部に虫卵または卵殻が認められた.他の1症例の直接鏡検では,母虫,約15個の虫卵,4個の卵殻および糞便などからなる長楕円形の集塊が認められた.これらの所見は交配,受精した成熟雌虫が角層内で1〜2カ月間ほぼ静止していることを示唆していると考えられる.そして,その場で産卵し,虫体およびその排泄物,特に糞便などの成分が角層内嚢状間隙の底部から,表皮,真皮へと垂直方向より直線的にしかも持続的に浸透するため肉芽腫性炎症が惹起され,結節が形成されると考えられた.
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