Japanese
English
臨床経験
足底部に発生したinfantile fibromatosisの1例
A Case of Infantile Fibromatosis arising from the Sole
森戸 俊典
1
,
楠崎 克之
1
,
葛原 啓
1
,
日下部 虎夫
1
,
榊田 喜三郎
1
Toshinori Morito
1
1京都府立医科大学整形外科学教室
1Department of Orthopedic Surgery, Kyoto Prefectural University of Medicine
キーワード:
乳児線維腫症
,
infantile fibromatosis
,
足底
,
sole
Keyword:
乳児線維腫症
,
infantile fibromatosis
,
足底
,
sole
pp.789-793
発行日 1988年6月25日
Published Date 1988/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907892
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:最近われわれは生下時より足底部に発生した浸潤性軟部腫瘍の1例を経験した.症例は新生児男児で生下時より左足底部に腫脹を認め徐々に増大し舟底足変形をきたしてきたため,生検後生後8週目に腫瘍摘出術を施行したが,可及的切除にもかかわらず術後1年9カ月の現在腫瘍の増大・遠隔転移はみられない.腫瘍は足底深部にび漫性に認められ,弾性硬で境界不明瞭であった.皮膚との癒着は認めなかったが,皮下脂肪・筋組織への浸潤が著明で神経を巻き込んでいた.腫瘍は豊富な膠原線維を伴う紡錘型線維細胞を主体とし再生筋芽細胞・変性シュワン細胞・ヘモジデリン含有細胞を伴っていたが,悪性所見は認められなかった.本症例で鑑別すべきものとしてはinfantile fibromatosis,plantar fibromatosis,aponeurotic fibromaおよびnodular fascitisが挙げられるが,臨床学的および組織学的所見より詳細に検討した結果,本症例は足底部に発生したきわめて稀なinfantile fibromatosisであると診断した.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.