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増刊号特集 最近のトピックス2024 Clinical Dermatology 2024
5.皮膚科医のための臨床トピックス
ビッグデータが解き明かす皮膚科学の新展開—静岡スタディによる疫学研究
Big data leads to new progress in dermatology : Shizuoka Study
橋爪 秀夫
1,2
Hideo HASHIZUME
1,2
1静岡社会健康医学大学院大学社会健康医学研究科
2磐田市立総合病院皮膚科
1Shizuoka Graduate University of Public Health, Shizuoka, Japan
2Department of Dermatology, Iwata City Hospital, Iwata, Japan
キーワード:
ビッグデータ
,
疫学研究
,
医学研究
,
帯状疱疹関連痛
,
ヒドロクロロチアジド
Keyword:
ビッグデータ
,
疫学研究
,
医学研究
,
帯状疱疹関連痛
,
ヒドロクロロチアジド
pp.179-182
発行日 2024年4月10日
Published Date 2024/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207306
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summary
英米での医学研究は,臨床研究が重要視されているが,日本では基礎研究に集中する傾向がある.これは,巨額なコストと労力を要するために,容易に実施しえない日本独特の事情があった.最近,台頭してきたビッグデータ解析は,新しい研究手法の開発とともに,本邦における臨床(疫学)研究に一石を投じている.静岡県国民健康保険のクレームデータベースに基づいて構築されたShizuoka Kokuho Database(SKDB)は,約223万人のデータを含み,さまざまな医療情報が統合されたデータベースである.われわれは,このSKDBを使用していくつかの疫学研究を行ってきた.その研究のうち,帯状疱疹関連痛(ZAP)リスクの探索研究と,ヒドロクロロチアジド(HCT)による皮膚癌発症リスクの分析研究を紹介し,ビッグデータ解析による皮膚科学研究が新たな地平を開く可能性を考察する.
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