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第1土曜特集 五感を科学する――感覚器研究の最前線
視覚
眼科におけるビッグデータ・AIを活用した先制医療
Preemptive medicine using big data and AI in ophthalmology
柏木 賢治
1
Kenji KASHIWAGI
1
1山梨大学医学部眼科学教室
キーワード:
先制医療
,
眼科
,
ビッグデータ
,
人工知能(AI)
Keyword:
先制医療
,
眼科
,
ビッグデータ
,
人工知能(AI)
pp.619-627
発行日 2022年8月6日
Published Date 2022/8/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28206619
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眼科医療は高齢者の慢性疾患が中心となっており,高齢社会においてはこの傾向は顕著である.多くの眼疾患は自覚症状が比較的少ないものの,不可逆的障害をきたし,治療は生涯にわたるものが多い.このため,治療の主体は発症させない,発症させてもできるだけ悪化をさせずに生涯健康的な生活を送るための対策が重要となっている.この観点から先制医療は重要であり,このためのツールとしてビッグデータから人工知能(AI)を利活用した新しい医療への取り組みが重要である.このトレンドは世界的に共通であり,海外では多くの成果が報告されている.わが国の眼科においても日本眼科学会を中心として,関係団体と協力して総力をあげて取り組みを行っている.すでにいくつかの成果により先制医療への応用が実用化の局面を迎えている.しかし,ビッグデータを収集し,これを管理運営することは容易ではなく,また得られた成果を社会導出するための法的体制や社会の理解はいまだ十分整っておらず,直面する課題は多いことも事実である.
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