Japanese
English
症例報告
意識障害を合併した高齢者水痘の1例
An elderly female case of varicella with consciousness disturbance
島本 佳保
1
,
染田 幸子
2
,
鈴木 秀和
3
Kaho SHIMAMOTO
1
,
Yukiko SOMEDA
2
,
Hidekazu SUZUKI
3
1市立柏原病院皮膚科
2育和会記念病院皮膚科
3育和会記念病院神経内科
1Division of Dermatology, Kashiwara Municipal Hospital, Kashiwara, Japan
2Division of Dermatology, Ikuwakai Memorial Hospital, Osaka, Japan
3Division of Neurology, Ikuwakai Memorial Hospital, Osaka, Japan
キーワード:
高齢者水痘
,
再活性化
,
意識障害
Keyword:
高齢者水痘
,
再活性化
,
意識障害
pp.167-171
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207209
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要約 74歳,女性.自宅で倒れていたため,救急搬送された.受診時意識レベルはJCSI-2で,全身に水疱が散在しており,水痘の疑いで当直医によりアシクロビル(ACV)が開始された.第3病日に当科受診し,紅斑を伴う水疱が多発しており,デルマクイックVZV陽性より水痘と診断した.高齢者水痘は水痘帯状疱疹ウィルス(varicella-zoster virus : VZV)の再活性化もしくは再感染により発症する.自験例は関節リウマチに対して免疫抑制剤投与中で,VZV感染者との接触歴はないためVZVの再活性化と診断した.入院後意識レベルが更に低下したため,ACV脳症やVZV性髄膜炎を疑い,検査施行するも異常所見はなかった.ACVと補液のみで意識障害は改善し,自験例をVZVによる脳症と診断した.検査に異常がなく,ACVを投与していたにもかかわらず遅発性に意識障害が生じた例を経験したので報告する.
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