Japanese
English
症例報告
各種化学療法により生存期間延長が得られた進行期乳房外Paget病の1例
A prolonged survival case of advanced extramammary Paget's disease treated with several chemotherapy regimens
浦田 和美
1
,
梶原 一亨
1
,
鈴木 健久
1
,
栗山 春香
1
,
青井 淳
1
,
福島 聡
1
Kazumi URATA
1
,
Ikko KAJIHARA
1
,
Takehisa SUZUKI
1
,
Haruka KURIYAMA
1
,
Jun AOI
1
,
Satoshi FUKUSHIMA
1
1熊本大学大学院皮膚病態治療再建学講座
1Department of Dermatology and Plastic Surgery, Faculty of Life Sciences, Kumamoto University, Kumamoto, Japan
キーワード:
乳房外Paget病
,
S-1/ドセタキセル
,
ゲムシタビン
,
エトポシド
,
タモキシフェン
Keyword:
乳房外Paget病
,
S-1/ドセタキセル
,
ゲムシタビン
,
エトポシド
,
タモキシフェン
pp.893-898
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207120
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 74歳,男性.初診5か月前より左鼠径部に紅斑および腫瘤を自覚し,当院を紹介され受診した.皮膚生検にて真皮までPaget細胞の浸潤を認め,PET/CTにて多発リンパ節転移および恥骨転移を認めた.切除不能乳房外Paget病に対して,1st lineとしてmonthly S-1/ドセタキセル療法を開始した.いったん腫瘍の縮小がみられたものの13クール終了後,転移リンパ節の増大を認めたため投与を中止した.2nd lineとしてbiweeklyゲムシタビン療法へ変更し,7クールの投与を継続した.3rd lineとしてエトポシド療法を約4か月,その後4th lineとしてタモキシフェン療法を7か月,5th lineとしてS-1単剤による加療を約1か月行った.進行期乳房外Paget病に対して有効性を示す標準的治療法はいまだ確立されていないが,各種化学療法施行によって,重篤な有害事象を伴わず,治療開始から39か月という生存期間延長が得られた.
Copyright © 2023, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.