Japanese
English
症例報告
不明熱を呈し紫斑から診断した抗好中球細胞質抗体陰性好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の1例
A case of anti-neutrophil cytoplasmic antibody-negative eosinophilic granulomatosis with polyangiitis presenting fever of unknown origin
藤本 麻記子
1
,
松田 和樹
1
,
吉崎 麻子
1
,
吉崎 歩
1
,
佐藤 伸一
1
Makiko FUJIMOTO
1
,
Kazuki Mitsuru MATSUDA
1
,
Asako YOSHIZAKI-OGAWA
1
,
Ayumi YOSHIZAKI
1
,
Shinichi SATO
1
1東京大学医学部附属病院皮膚科
1Department of Dermatology, The University of Tokyo Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
,
不明熱
,
抗好中球細胞質抗体
,
紫斑
Keyword:
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
,
不明熱
,
抗好中球細胞質抗体
,
紫斑
pp.869-873
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207116
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要約 77歳,女性.気管支喘息,末梢血好酸球増多,神経因性膀胱,2型糖尿病,うつ病の既往がある.発熱を主訴に他科入院し,尿路感染症を疑われて抗菌薬を8日間投与したが解熱しなかった.その間に皮疹が出現したため,当科を紹介受診した.血液検査で抗好中球細胞質抗体は検出されなかったが,四肢体幹に浸潤を触れる紫斑を認め,皮膚生検で真皮浅層に好酸球浸潤を伴う白血球破砕性血管炎を認めた.既に多発単神経炎を発症しており,好酸球性多発血管炎性肉芽腫症と診断の上,メチルプレドニゾロン点滴,プレドニゾロン内服,シクロホスファミドパルス,免疫グロブリン大量静注で治療した.本疾患は不明熱の定義を満たし,皮膚科の介入が熱源特定の契機となった.不明熱の背景には本疾患をはじめ,皮疹の観察や皮膚生検が診断の鍵となる疾患が多く含まれるため,不明熱や本疾患の診療において生検をはじめとした検査の実施や迅速な治療の開始が望ましいと考えられた.
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