Japanese
English
症例報告
長期留置型カテーテルを用いて維持血液透析を導入した劣性栄養障害型表皮水疱症の1例
A case of recessive epidermolysis bullosa with long term successful maintenance hemodialysis by using a long-term indwelling catheter
鎌田 麻美
1
,
平澤 祐輔
1
,
曽 遥
1
,
鈴木 梨奈
1
,
千田 香織
1
,
山梨 治斗
1
,
白石 昭彦
2
,
木原 正夫
3
,
鈴木 祐介
3
,
池田 志斈
1
Asami KAMATA
1
,
Yusuke HIRASAWA
1
,
Haruka SO
1
,
Rina SUZUKI
1
,
Kaori SENDA
1
,
Haruto YAMANASHI
1
,
Akihiko SHIRAISHI
2
,
Masao KIHARA
3
,
Yusuke SUZUKI
3
,
Shigaku IKEDA
1
1順天堂大学医学部皮膚科学講座
2順天堂大学医学部放射線医学教室・放射線診断学講座
3順天堂大学医学部内科学教室・腎臓内科学講座
1Department of Dermatology, Juntendo University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Department of Radiology, Juntendo University School of Medicine, Tokyo, Japan
3Department of Nephrology, Juntendo University Faculty of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
劣性栄養障害型表皮水疱症
,
慢性腎不全
,
アミロイドーシス
,
血液透析
,
長期留置型カテーテル
Keyword:
劣性栄養障害型表皮水疱症
,
慢性腎不全
,
アミロイドーシス
,
血液透析
,
長期留置型カテーテル
pp.503-508
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207032
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要約 30歳台,女性.生下時より機械刺激にて四肢体幹のびらんを認め,皮膚生検と臨床症状から劣性栄養障害型表皮水疱症(recessive dystrophic epidermolysis bullosa : RDEB)と診断された.前医で通院加療を受けていたが皮膚症状の悪化があり当院を紹介され受診した.学童期に蛋白尿を指摘されており,初診時にはCre 1.37 mg/dlと軽度の腎機能障害があった.通院開始後,処置指導により皮膚症状は安定していたが腎機能障害は進行し,初診から1年9か月後に腎代替療法を必要とした.薬剤性や感染症は否定的であり,慢性炎症によるアミロイド腎症と考えた.前腕のびらんと瘢痕が強く通常の内シャントの造設は困難であり,長期留置型カテーテルによる維持血液透析を選択し,安定した経過が得られた.RDEBはしばしば全身の炎症によるアミロイドーシスを原因とする腎不全にも陥るとされる.血液透析を必要とするRDEB患者に対し,長期留置型カテーテルは有効な選択肢の1つであると考える.
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