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増刊号特集 最近のトピックス2025 Clinical Dermatology 2025
4.皮膚疾患治療のポイント
リトレシチニブ内服による重症円形脱毛症の治療
Oral ritlecitinib for the treatment of severe alopecia areata
大山 学
1
Manabu OHYAMA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Japan
キーワード:
重症円形脱毛症
,
内服治療
,
ヤヌスキナーゼ阻害薬
,
JAK阻害薬
,
適応条件
,
安全性
Keyword:
重症円形脱毛症
,
内服治療
,
ヤヌスキナーゼ阻害薬
,
JAK阻害薬
,
適応条件
,
安全性
pp.138-143
発行日 2025年4月10日
Published Date 2025/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002149730790050138
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summary
円形脱毛症は,毛包を標的とする自己免疫性疾患であり,自然軽快もありうるが,重症例では症状が固定し難治となり,時に患者に精神的・社会的負担を与えうるため治療へのニーズは大きい.その難治化の背後にはJAK-STATシグナル系の活性化があり,JAK1/JAK2阻害薬であるバリシチニブの有効性が国際共同臨床試験で実証され2022年6月に本邦でも適応追加の承認に至った.リトレシチニブトシル酸塩(以下,リトレシチニブ)はJAK3およびTECファミリーキナーゼ阻害薬であり12歳以上の重症に対して実施された国際共同臨床試験にてその有効性,安全性が確認されたことから2023年9月に承認された.バリシチニブとは異なる作用機序の薬剤であり,12歳以上という制限はあるものの治療対象年齢が拡大したことには意義がある.両薬剤とも日本皮膚科学会から公開されている安全使用マニュアルに従って治療を進める必要があり,治療効果にも個人差がある.また,両薬剤の優劣を論ずるために十分なデータは現時点ではないなどにも注意が必要である.

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