Japanese
English
症例報告
表皮囊腫を疑った顔面の有棘細胞癌の1例
A case of squamous cell carcinoma on the face suspected of epidermal cyst
前田 学
1
,
松山 かなこ
2
Manabu MAEDA
1
,
Kanako MATUYAMA
2
1八幡病院皮膚科
2岐阜大学医学部皮膚科
1Division of Dermatology, Hachiman Hospital, Gujo, Japan
2Department of Dermatology, Gifu University, Gifu, Japan
キーワード:
表皮囊腫
,
有棘細胞癌
,
耳下腺浸潤
Keyword:
表皮囊腫
,
有棘細胞癌
,
耳下腺浸潤
pp.1001-1005
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206832
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要約 80歳,女性,半年前より右頰部に拇指頭大の皮下結節が出現した.皮下結節のエコー検査は深さ4mmの部位に23.4×9.8×8.5mmの内部エコー低,不均一,辺縁整,後方エコー不変,血流なしの所見を認めたため,表皮囊腫と考え,へそ抜き法で摘出を試みたが,周囲との癒着が強固で不可能であった.病理組織検査で有棘細胞癌と判明,CT像から,原発は神経と耳下腺浸潤し,耳下腺内リンパ節浸潤を伴うステージ4であった.患者の希望で放射線治療を開始し,66(Gy)/33(fr)で終了した.1か月後にドセタキセル80mgを3回追加したが,効果なく,緩和病院に転院となった.自験例は初診時,皮下結節を臨床所見から表皮囊腫とみなしたが,病理組織で有棘細胞癌であることが判明した.臨床的に表皮囊腫とみなしても病理検査は必要不可欠と考えられる.
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