Japanese
English
臨床経験
前仙骨部神経鞘腫の1例
A Case of Presacrat Neurilemmoma
中山 博文
1
,
北野 喜行
1
,
横川 明男
1
,
片山 元
1
,
田中 豊也
1
Hirofumi Nakayama
1
1市立砺波総合病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Tonami Municipal Hospital
キーワード:
前仙骨部腫瘍
,
presacral tumor
,
神経鞘腫
,
neurilemmoma
Keyword:
前仙骨部腫瘍
,
presacral tumor
,
神経鞘腫
,
neurilemmoma
pp.1385-1388
発行日 1992年12月25日
Published Date 1992/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901006
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抄録:前仙骨部腫瘍の1例を報告する.症例は68歳,男性.主訴は仙骨部痛.現病歴は直腸診で左側に偏在する平滑・弾性軟で辺縁が明確な鶏卵大腫瘤を触知した.神経学的には異常はなかった.単純X線写真では異常を認めず,CTでは仙骨前面で左側の仙骨神経孔に接する球状の低濃度域を認めた.MRIのTI強調SE法矢状断像では,仙骨前面に接するように,低信号の腫瘍を認めた.腫瘍内部の性状では信号強度不均一な部分を一部に認めた.神経原性腫瘍を疑い後方より傍仙骨侵入法にて施行した.仙骨前面と直腸後面の間に黄色・軟性の腫瘍を認め,S3神経根を切離し腫瘍を摘出することが出来た.割面では分葉状に増殖し粘液様変化を伴う4.5×5cmの被膜を有した充実性腫瘍であった.病理組織によりAntoni-A型神経鞘腫と診断された.術後1年の現在,経過は順調である.
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