特集 病態から考える薬物療法
第Ⅰ章 湿疹・皮膚炎,痒疹,皮膚瘙痒症
2 接触皮膚炎
矢上 晶子
1
Akiko YAGAMI
1
1藤田医科大学ばんたね病院,総合アレルギー科
キーワード:
パッチテスト
,
ジャパニーズベースラインシリーズ
,
アレルギー性接触皮膚炎
,
接触皮膚炎症候群
,
判定基準
Keyword:
パッチテスト
,
ジャパニーズベースラインシリーズ
,
アレルギー性接触皮膚炎
,
接触皮膚炎症候群
,
判定基準
pp.622-625
発行日 2022年4月20日
Published Date 2022/4/20
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003234
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接触皮膚炎とは,外来性の刺激物質や抗原(ハプテン)が皮膚に接触することによって発症する湿疹性の炎症反応である。大きく刺激性とアレルギー性に分類されるが,光線の関与したタイプを加えて,① 刺激性接触皮膚炎,② アレルギー性接触皮膚炎,③ 光接触皮膚炎(光毒性接触皮膚炎,光アレルギー性接触皮膚炎),④ 全身性接触皮膚炎・接触皮膚炎症候群(付)接触蕁麻疹に分類される1)。臨床的な特徴としては,刺激性接触皮膚炎は,接触部位に一致して紅斑や刺激感,痛みなどが誘発される。一方,アレルギー性接触皮膚炎は,発症部位や症状の持続期間に依存し,急性の場合は,痒みを伴う紅斑,丘疹,小水疱を呈し,滲出液を伴うことがあり,慢性に経過した場合は,苔癬化を伴う痂皮や亀裂などを呈する(図1)。さらに,眼瞼や陰部では,小水疱ではなく紅斑,浮腫が顕著になる。なお,全身に皮疹が拡大することもあり,経皮感作の成立後,同一の抗原が繰り返し経皮的に接触し,強い痒みを伴う皮膚病変が接触範囲を超えて全身に出現する場合を接触皮膚炎症候群とよび(図2-a,b),経皮感作成立後に同一抗原が経口・吸入・注射など非経皮的なルートで生体に侵入することによって全身に皮膚炎を生じる場合を全身性接触皮膚炎とよぶ。
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