Japanese
English
症例報告
両側性対称性帯状疱疹の1例
A case of bilateral and symmetrical herpes zoster
湯川 圭
1
,
吉岡 啓子
1
Kei YUKAWA
1
,
Keiko YOSHIOKA
1
1社会医療法人生長会府中病院皮膚科
1Division of Dermatology, Fuchu Hospital, Izumi, Japan
キーワード:
両側性対称性帯状疱疹
,
複発性帯状疱疹
Keyword:
両側性対称性帯状疱疹
,
複発性帯状疱疹
pp.1084-1088
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206227
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要約 79歳,女性.2019年10月初旬,3日前からの前額部の皮疹,全身倦怠感を主訴に近医を受診し,精査加療目的に当科に紹介された.前頭部,前額部,両側上眼瞼と鼻背に小水疱の集簇を伴う浮腫性紅斑を認めた.左右前額部のいずれの皮疹からも皮疹部から施行したTzanck testではウイルス性巨細胞を認め,イムノクロマト法による水痘・帯状疱疹ウイルス抗原検査が陽性であった.三叉神経第1枝領域の両側性対称性帯状疱疹と診断し,アシクロビル250mg/日の7日間の投与で皮疹は改善した.離れた複数の神経支配領域に皮疹が出現する帯状疱疹は複発性・多発性帯状疱疹と定義されており,比較的稀な病型である.好発年齢,性差,予後や合併症に関しては通常の帯状疱疹と差がないと考えられるが,悪性腫瘍や膠原病の合併率は高いと考えられるため,より慎重に検索する必要があると考える.
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