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増刊号特集 最近のトピックス2020 Clinical Dermatology 2020
4.皮膚疾患治療のポイント
褥瘡・難治性皮膚潰瘍と酢酸亜鉛(ノベルジン®)
Zinc deficiency in pressure ulcers/intractable skin ulcers and zinc acetate supplement(NOBELZIN®)
宮地 良樹
1
Yoshiki MIYACHI
1
1京都大学
1Kyoto University, Kyoto, Japan
キーワード:
褥瘡・難治性皮膚潰瘍
,
亜鉛欠乏
,
亜鉛補充療法
,
ノベルジン®
Keyword:
褥瘡・難治性皮膚潰瘍
,
亜鉛欠乏
,
亜鉛補充療法
,
ノベルジン®
pp.115-119
発行日 2020年4月10日
Published Date 2020/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206035
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summary
亜鉛欠乏は多彩な病態を惹起するが,亜鉛が多く存在する皮膚では皮膚炎・脱毛・口内炎などを呈し,亜鉛欠乏診断の機縁となることも多いため,亜鉛の知識は皮膚科日常診療に必須と思われる.亜鉛欠乏の病態研究により,皮膚では表皮細胞からのATP放出が皮膚の被刺激性を亢進させることで一次刺激性接触皮膚炎を起こすことが示された.また亜鉛は創傷治癒のほぼすべての過程で枢要な機能を果たしているため,亜鉛欠乏は褥瘡・皮膚潰瘍の難治化を招来する.亜鉛欠乏食を用いたマウスの虚血再灌流褥瘡モデル研究で亜鉛補充の有用性が実証されたこと,褥瘡における亜鉛補充療法の有用性の臨床報告などから,褥瘡・難治性皮膚潰瘍患者に遭遇したら一度は亜鉛欠乏を疑い血清亜鉛濃度を測定することは理にかなった選択肢である.低亜鉛血症が認められた際には保険適用があるノベルジン®による亜鉛補充療法が推奨される.
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