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悪性リンパ腫の"appearances"(第7回) 骨軟部 原発性皮膚リンパ腫、骨原発悪性リンパ腫を中心に
黒川 遼
1
,
萩原 彰文
1東京大学医学部附属病院 放射線科
キーワード:
骨腫瘍
,
X線CT
,
皮膚腫瘍
,
リンパ腫
,
リンパ腫-B細胞性
,
造血器腫瘍
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
陽電子放射型断層撮影
,
リンパ腫-原発性皮膚未分化大細胞
,
皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫
,
芽球形質細胞様樹状細胞腫瘍
Keyword:
Bone Neoplasms
,
Lymphoma
,
Skin Neoplasms
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Lymphoma, B-Cell
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
Hematologic Neoplasms
,
Positron-Emission Tomography
,
Lymphoma, Primary Cutaneous Anaplastic Large Cell
,
Subcutaneous Panniculitis-Like T-Cell Lymphoma
pp.879-888
発行日 2018年7月26日
Published Date 2018/7/26
DOI https://doi.org/10.18885/J01843.2018285548
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悪性リンパ腫は,しばしば骨軟部にも病変を形成する。なかでも全身性の悪性リンパ腫の進行例において筋,骨,皮膚や皮下組織の病変を認めることが多いが(症例1),一方で,最初から皮膚病変や骨病変として現れる症例もある。診断時に皮膚や骨以外の臓器に腫瘍細胞を認めないこのような悪性リンパ腫は,それぞれ原発性皮膚リンパ腫(primarycutaneouslymphoma;PCL),骨原発悪性リンパ腫(primarybonelymphoma;PBL)とよばれ,そのほかの腫瘍や感染症,あるいは外傷性変化などと誤診してしまうことがたびたび経験される。初期診断を誤ったり,読影レポートで主治医の背中を押してあげられなかったりしたがために適切な対応が遅れ,その後急速に腫瘍が増大し,予後不良となることもある。確実に悪性リンパ腫だと断定しうる所見は多くはないが,「こういう病変が悪性リンパ腫であることもあるのか」と経験しておくだけでも意義深い。今回は,特に原発性皮膚リンパ腫,骨原発悪性リンパ腫につき,症例提示しながら画像所見のポイントを述べたい。
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