Japanese
English
症例報告
Laugier-Hunziker-Baran症候群の1例
A case of Laugier-Hunziker-Baran syndrome
八谷 美穂
1
,
崎山 とも
1
,
布袋 祐子
1
Miho HACHIYA
1
,
Tomo SAKIYAMA
1
,
Yuko FUTEI
1
1荻窪病院皮膚科
1Division of Dermatology, Ogikubo Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
Laugier-Hunziker-Baran症候群
,
皮膚粘膜の色素斑
Keyword:
Laugier-Hunziker-Baran症候群
,
皮膚粘膜の色素斑
pp.1051-1056
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205587
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要約 77歳,男性.職業は歌手.初診数か月前から口唇,両頰粘膜,歯肉に黒褐色斑が多数出現し当科を受診した.指腹に淡い色素斑を散在性に認めたが,脱毛や爪甲線条はみられなかった.口唇粘膜の病理組織像で表皮基底層にメラノサイトの軽度の増加とメラニンの増加がみられ,真皮浅層にメラノファージが集積していた.同症の家族歴,消化管ポリポーシスはなく,副腎機能検査は正常で,脱毛や下痢症状も認めなかった.以上より,Laugier-Hunziker-Baran症候群と診断した.本疾患の病因は,加齢などによる内因性の要因が主体とされるが,外的刺激によるとする報告もある.今回,自験例では職業柄,通常よりも口唇口腔内への刺激は大きいと思われたが,手指の色素沈着については外的刺激を示唆するエピソードはなく,加齢による内因性のものを考えた.過去10年の報告例とともに報告する.
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