Japanese
English
症例報告
腫瘤型毛母腫の2例—毛母腫のダーモスコピー所見についての考察を加えて
Two cases of protuberant pilomatricomas:With an insight into dermoscopic findinds
上村 杏奈
1
,
村上 拓生
1
,
柳澤 宏人
1
,
常深 祐一郎
1
,
土田 哲也
1
,
中村 晃一郎
1
Anna KAMIMURA
1
,
Takuo MURAKAMI
1
,
Hiroto YANAGISAWA
1
,
Yuichiro TSUNEMI
1
,
Tetsuya TSUCHIDA
1
,
Koichiro NAKAMURA
1
1埼玉医科大学皮膚科
1Department of Dermatology, Saitama Medical University Hospital, Saitama, Japan
キーワード:
毛母腫
,
ダーモスコピー
,
腫瘤型
Keyword:
毛母腫
,
ダーモスコピー
,
腫瘤型
pp.593-598
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206740
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 毛母腫は,正常表皮に被覆された骨様硬に触れる結節としてみられることが多いが,時に特異な臨床像を呈する.今回,臨床的に腫瘤を形成し,ダーモスコピーで多彩な所見がみられた毛母腫の2例を経験した.症例1は76歳男性,症例2は53歳女性で2例とも顔面に生じ腫瘤を形成していた.ダーモスコピーでは,黄白色構造,不正な白色線条,多様な血管所見,赤青色調均一領域,潰瘍などの所見がみられた.それらの所見と病理組織所見を比較した結果,黄白色構造は陰影細胞を反映していると考えた.さらに当科で過去3年間のダーモスコピー所見のある毛母腫を振り返ったところ,11例中9例で黄白色構造がみられ,最も多い所見であった.ダーモスコピーでみられる黄白色構造は,特異な臨床像を呈する毛母腫の診断の手掛かりになりうると考えた.
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.