今月の臨床 これを読めばすべてわかる―最新の産婦人科超音波診断
III 産科における超音波診断─妊娠初期
Nuchal Translucencyの計測と意義
増﨑 英明
1
1長崎大学医学部産婦人科
pp.537-543
発行日 2010年4月10日
Published Date 2010/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102337
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妊娠初期に行う超音波検査の目的は,まずは子宮内の妊娠であることを確認し正しい予定日を確定することである.実際には,子宮内にいる胎児の生存を確認することで異所性妊娠を否定し,頭殿長の計測値から妊娠週数を確定する1).欧米では妊娠初期に,母体年齢,血清マーカー試験およびNuchal Translucency(以下,NTと略)の厚みなどによる多変量解析から染色体異常(主にダウン症)のスクリーニングが行われているが,わが国にはこのような明確なスクリーニングシステムは現時点では存在しない.ここでは欧米で行われている妊娠初期の染色体異常のスクリーニングについて解説し,わが国の現状との対比から,妊娠初期超音波検査の内包する問題について考察する.
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